人材育成・評価基準

クリニカルラダー・キャリアラダー

三康病院 看護職員のクリニカルラダー
日本看護協会は、2016年5月に看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)を公表し「2025年に向けて、あらゆる場における全ての看護師に共通する看護実践能力の指標として、看護の質向上に活用していきましょう。¹⁾」また「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)を標準的指標として、個々の看護師には、本クリニカルラダーの4つの力を基盤に看護実践能力を着実に身に付けていただくこと、また個々の看護師が所属する組織には、4つの力を基盤にした教育を通して個々の看護師の成長を支援していただくことを期待しています。²⁾」とあります。
健栄会三康病院看護部は、日本看護協会の看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)を指標とし、既存のクリニカルラダーの修正を行いました。そして2017年4月より日本看護協会のクリニカルラダーを標準的指標とした新クリニカルラダーを導入し進めます。
一方、看護補佐のクリニカルラダーについては、日本看護協会からの公表されているものはありません。しかし、平成24年度厚生労働省看護職員確保対策特別事業「看護補助者活用推進のための看護管理者研修テキスト:平成25年3月日本看護協会」によると、「技術チェックリストやラダーの導入、業務をはじめて間もない看護補助者であることを周知するためのバッジの活用など、看護補助者の業務に関する技術の習得状況等を組織内で共通して把握することが望ましい。³⁾」とあります。
看護補佐の業務に関しては、法的な定義はないですが、看護チームの一員としての業務補助であり、医療に関する免許を必要としない業務です。免許を必要としないとは、看護師の業務である療養上の世話、診療の補助について、看護補佐は実施することができません。免許を有しない看護補佐の規律は、医療機関との就業規則を含めた雇用契約によって規定されることになります。
看護補佐のクリニカルラダーについては、看護師を補佐し実践するといった意味で、日本看護協会の看護師のクリニカルラダーを指標とし、既存の看護補佐クリニカルラダーを修正し作成しました。
2017年2月 三康病院看護部 看護師長
2019年4月より、三康病院グループ看護部に導入します。
2019年3月 三康病院グループ看護部長
引用文献
1) 川本利恵子:日本看護協会ホームページ
http://www.nurse.or.jp/nursing/jissen/index.html
http://www.nurse.or.jp/nursing/jissen/guidan/index.html
2)平成24年度厚生労働省看護職員確保対策特別事業「看護補助者活用推進のための看護管理者研修テキスト:平成25年3月日本看護協会」P15

1.レベルの定義

◇看護の核となる実践能力:看護師が論理的な思考と正確な看護技術を基盤に、ケアの受け手のニーズに応じた看護を臨地で実践する能力
1.レベルの定義
【看護師】
レベルⅠ:定義 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する。
レベルⅡ:定義 標準的な看護計画に基づき自立して看護を実践する。
レベルⅢ:定義 ケアの受け手に合う個別的な看護を実践する。
レベルⅣ:定義 幅広い視野で予測的判断をもち看護を実践する。
レベルⅤ:定義 より複雑な状況において、ケアの受け手にとっての最適な手段を選択しQOLを高めるための看護を実践する。
【准看護師】
レベルⅠ:定義 看護師の指示の下、基本的な看護手順に従い助言を得て、看護を実践する。
レベルⅡ:定義 看護師が作成した看護計画に基づき、看護師の指示の下、自立して看護を実践する。
レベルⅢ:定義 看護師の指示の下、ケアの受け手に合う個別的な看護を実践する。
キャリアラダー看護師

【看護補佐】
レベルⅠ:定義 基本的な看護補佐業務手順に従い、助言を得て看護補佐業務を実践する。
レベルⅡ:定義 看護補佐業務手順に従い、自立して看護補佐業務を実践する。
レベルⅢ:定義 ケアの受け手に合う個別的な看護補佐業務を実践することができる。
キャリアラダー看護補佐

 

2.評価基準

1)5段階評価とする。
5.よくできた
4.できた
3.どちらともいえない
2.できない
1.全くできない
2)他者評価者について
  各施設の看護部所属長が最終評価者となる。看護補佐の評価、認定は、グループ補佐会でも検討する。
3)評価時期    中間評価8月 / 期末評価2月
4)看護職員のクリニカルラダー開始は、入職時より実施する。
5)レベル認定の基準
 ・1年に1回期末評価ですべての項目、総合評価が4以上の評価でレベル認定とする。
 ・レベル認定は、年1回2月に実施する。グループ看護管理者会議で承認する。
 ・レベル1の認定取得がされていない看護職員は、「ひよこマーク」をつける。中途採用の場合は、能力をみて「にわとり」をつける。
 ・レベルの認定取得者には、グループ看護部より認定証が授与される。
 ・各レベルの認定評価基準は、表1、2参照。

看護師レベル認定の評価基準(表1)

評価基準 認定基準
レベルⅠ ・基礎看護技術チェックリスト(全職員)
経歴で確認
・ 透析業務技術能力評価目標(透析室配属)
・院内の学習発表会で発表
・院外研修に参加
参加 80%以上A判定

全ての項目3以上
年1回
年1回

レベルⅡ ・院内でケーススタディ発表
・院外研修などに参加
年1回
年2回
レベルⅢ ・院外で学会、研究会、その他発表
・院外研修などに参加
年1回
年1回
レベルⅣ ・院外で学会、研究会、その他発表
・院外研修などに参加
認定の継続期間は3年
認定継続の申請(別紙参照)
レベルⅤ ・院外で学会、研究会、その他発表
・院外研修などに参加
認定の継続期間は3年
認定継続の申請(別紙参照)

准看護師レベル認定の評価基準(表2)

評価基準 認定基準
レベルⅠ ・基礎看護技術チェックリスト(全職員)
経歴で確認
・ 透析業務技術能力評価目標(透析室配属)
・看護師の指導の下、院内の学習発表会で発表
・院外研修に参加
80%以上A判定

全ての項目3以上
年1回
年1回

レベルⅡ ・院内でケーススタディ発表
・院外研修などに参加
年1回
年1回
レベルⅢ ・院外で学会、研究会、その他発表
・院外研修などに参加
年1回
年2回

看護補佐レベル認定の評価基準(表3)

評価基準 認定基準
レベルⅠ ・基礎看護技術チェックリスト 80%以上A判定
レベルⅡ ・主体的に業務改善、提案を行い実施することができた 業務改善の実績、提案書など
レベルⅢ ・新採用者や看護補佐への研修会の企画、実施することができた 看護補佐への研修会の実績状況など

看護部認定証

看護部認定証3

3.年間教育計画

  • 看護部職員に他職種の職員も入った合同研修も実施しています。互いに学びあう場所となっています
  • 参加型研修、実技研修など、職員間のコミュニケーションを重視した研修を目指しています。

健栄会看護部 年間教育研修(2020年)

新人教育 継続教育 管理者教育
  • 4月合同研修
  • 各部署紹介(プレゼン)
  • 看護倫理綱領
  • SNSと個人情報
  • 医療安全、感染防止対策(1~2)
  • 看護記録
  • 医療機器の使い方(1~2)
  • 褥瘡予防対策
  • 誤嚥性肺炎、マウスケア
  • 透析患者の体重とドライウェイト
  • 透析導入期の看護
  • 認知症患者と高齢者を理解しよう
  • 手術室見学
  • リフレッシュ研修(新卒者や新採用者で語る会)
  • フィジカルアセスメント
  • メンバーシップ
  • リフレクション研修(看護の振り返り)
  • 泌尿器基礎看護と検査
  • 人工呼吸器の使い方
  • 看護記録
  • スライド作成の仕方
  • 報告、連絡、相談
  • 手術室見学
  • CAPD看護
  • 泌尿器検査
  • 透析室看護
  • 排尿ケア
  • リーダーシップ
  • 診療報酬
  • 退院支援
  • 透析患者の食事指導
  • リフレクション研修(看護の振り返り)
  • ケーススタディ
  • 救急研修(BLS、ACLS)
  • マネジメントの基礎
  • ACP
  • リーダーシップ、グループマネジメント
  • 臨床倫理
  • クライシスマネジメント
  • 自律した医療職
  • 問題解決思考
  • ヘルスケアシステム
  • キャリア開発とモチベーションマネジメント
  • リフレクション(振り返り)

マネジメントラダー

健栄会 看護管理者のマネジメントラダー

日本看護協会は、2007年「看護にかかわる主要な用語の解説、概念的定義、歴史的変遷、社会的文脈」において、看護管理者を「看護の対象者のニーズと看護職の知識、技術が合致するよう計画し、財政的、物質的、人的資源を組織化し、目標に向けて看護職を導き、目標の達成度を評価することを役割とする者の総称をいう」と示しています。
2019年2月に日本看護協会より「病院看護管理者のマネジメントラダー」が公表され、当グループ健栄会看護部において、このマネジメントラダーを基本としたものを作成しました。看護管理者の目指すべき能力、日々の実践の評価に使用して頂き、よりよい看護管理ができるように努めて頂きたいと思っています。
近年、社会は様々に変化をしてきています。病院の看護管理者は、自病院のみならず、地域にも視野を広げ、地域での自施設の役割を考えていく時代です。
看護管理者として何をすべきか、何を求められているのか、見えている範囲だけを見ていては、前には進めません。ぜひ実践する看護管理を展開して頂きたいです。

2020年3月  健栄会三康病院グループ 看護部長 磯川 薫

1.レベルの定義

定義
M1~2レベル
リーダー、副主任
主任
自部署の看護管理者とともに看護管理を実践できる。
M3~4レベル
主任、副師長
師長

自部署の看護管理を実践できる。

M5レベル
師長
トップマネジメントを担う一員として看護管理を実践できる。
M6~8レベル
副部長、部長
病院、法人全体の管理、運営に参画するとともに地域まで視野を広げた看護管理を実践できる。

 

2.6つの能力の定義

能力 定義
組織管理能力 組織の方針を実現するために資源を活用し、看護組織をつくる力
質管理能力 患者の生命と生活、尊厳を尊重し、看護の質を組織として保証する力
人材育成能力 将来を見据えて看護人材を組織的に育成、支援する力
危機管理能力 予測されるリスクを回避し安全を確保するとともに、危機的状況に陥った際に影響を最小限に抑える力
政策立案能力 看護の質向上のために制度、政策を活用及び立案する力
創造する能力 幅広い視野から組織の方向性を見出し、これまでにない新たなものを創り出そうと挑戦する力

3.評価基準

1)5段階評価とする。
5 よくできた
4 できた
3 どちらともいえない
2 できない
1 全くできない

2)他者評価者について
各施設の看護部所属長が最終評価者となる。

3)評価時期
中間評価8月  期末評価2月

4)マネジメントラダーは、役職の辞令により開始する。