当グループでは腹膜透析に関する管理や、指導を行う専任の看護師を配属しており、患者さま個々への細やかな対応が可能です。
排液不良や液の混濁など、何か困ったことが起きた際にも、24時間対応できる緊急時の体制も整えています。
また月に一度来院していただき、定期的な診察や検査を行うことによって、適切な体調管理に努めています。
腹膜透析
患者さま個々の治療選択が可能
次の方は腹膜透析が不適応となります。
- 腹膜面積が少ない
- 腹膜機能が低い(溶質移動、限外濾過)
- 腹部ヘルニア
- 横隔膜欠損
- 著しい換気障害
- 腰痛、椎間板ヘルニア
- 人工肛門造設者
- 腸管憩室炎のある方
- 精神障害者
- 家族の反対
腹膜透析について
お腹の中に腹膜透析液を出し入れすることにより、腹膜を介して血液中の老廃物や塩分、水分を取り除く方法です。腹部に入れたカテーテルから透析液を腹腔内へ注入し、約4~8時間貯留します。これを1日に4回繰り返します。血液透析に比べ、ゆっくりと透析が行われるため、身体への負担が少ない方法です。腹膜透析には自分で透析液の交換を行う「CAPD」と、機械が自動的に透析液を交換する「APD」があります。
CAPD
C : Continuous(連続的に)
A : Ambulatory(携行できる)
P : Peritoneal(腹膜)
D : Dialysis(透析)
- 約5~6時間ごとにバックを交換して、24時間連続して透析を行います
- 治療上、問題なければ生活のリズムに合わせてバックの交換時間の変更ができます
- バック交換には1回に約30分程度の時間がかかります。
APD
A : Automated(自動)
P : Peritoneal(腹膜)
D : Dialysis(透析)
寝ているあいだに装置が自動的に4~5回、液の出し入れを行います。夜間だけでは不足になる場合は、昼の時間帯に追加する方法もあります。
準備は15~30分程度、片付けには5~10分程度必要です。
体の状態に合わせて1回注液量、貯留時間、交換時間などが設定可能です。
腹膜透析の特徴
腹膜透析には次のような長所、短所があります。
【長所】
・自分に合ったスケジュールで透析を行うことができる
・通院は基本的に月一度でよい
・注射針を刺す必要がない
・食事制限が血液透析に比べて厳しくない
【短所】
・1日に4回、透析液バックを交換する必要がある
・腹部に液を出し入れするカテーテル(チューブ)を埋め込まなければならない
・透析のための備品を自宅に保管しなければならない
・体重が増加しやすい
・8~10年程度で血液透析に変更しなければならない